資源を思うと

「経済成長」だとか「新興工業国」なんて言葉を聞くと非常に空しく聞こえてしまいます。石油資源に依存した現代の産業も経済も、そもそもそんなに先は長くないんだから。
石油はあと40年くらいで枯渇すると言われています。あと40年くらいと、40年くらい前から言われ続けているのは新規の油田発見と発掘技術の向上のせいであって、石油が有限であることに全然変わりはない。しかもここのところ産油諸国の生産能力は頭打ちの状態が続いているでしょう。そろそろ40年というのも本当の数字と見ていいかもしれない。
これはホントに短い数字。地球時計というのがあるでしょう。地球のこれまでの歴史を1年間に縮めると、というやつ。現生人類が登場したのが12月31日の23時56分頃とか言うのです。200年前の産業革命は大晦日の23時59分58秒半くらい。これから先200年も石油が掘れるわけないから、地球時計では残り1秒もありませんよ現代文明。
石油が枯渇したらもう悲惨です。原子力を持っていない国は中世の生活へ逆戻り。燃料がなければ機械は全部鉄くず。農業生産力だって当時のレベルに戻れば膨大な餓死者が出るのは必至ですよ(リン鉱石が枯渇したら化学肥料は作れなくなる)。もちろん、そうなる前にまず資源を巡る紛争に世界中が巻き込まれるだろうけど。
こんな時代が、下手をすればおいらの生きている世代のうちにやってくるかもしれないというのに、「経済成長がうんぬん」とか言われてもただ空しいんだよね。