.NET=i-mode=mixi

.NET passportをマイクロソフトがぶち上げたとき、そんなマイクロソフトなんかに個人情報を管理させるなんて危なっかしいことだれがするもんかと思ったものです。きっとみんなそう思ったんでしょう。いまでもpassportが使われているのはhotmailやMessengerくらいのものだし。
ただ、SNSmixiを使っているうちに、マイクロソフトの実現したかったことが見えてきた気がします。もとはと言えば、mixi内の専用システムで日記を書いたときと、これみたいな外部のブログを使っている場合に、コメントの付きやすさが全然違うことに気付いてから。mixi内なら、見る人はみんなログインした状態だから自分の名前なんか書かずに一言コメントを書いて送信するだけでコメントできます。掲示板でも同じ。自分のアドレスとかURLとか名前とか、そういう欄を埋めることなく内容だけ書けば投稿できてしまう。
この簡単さはどこかで見た。ああ、携帯の有料サイト使うときだ。なにしろ端末の持ち主が電話会社にはわかっているから、課金受けるときもカード番号を打ち込むでもなく振り込みするでもなく、「承諾」をクリックするだけでOK。
ログインしていることの気軽さ。もしこれがインターネットのサービス全体に広がっていたらどんなにか楽だろうと。それが.NET passportのアイディアだったのかと思うに至ったわけ。MSがやろうとしたのにはもちろん商売上の思惑もあるでしょう。気軽だと、消費者は気軽に購入ボタンを押せる。だからオンラインマーケティングのパイ自体を広げることができてお金にもなると。携帯WebマーケティングでのDoCoMoの役になりたかったということですよ。それなのに普及しなかった最大の問題は、マイクロソフト自身の信用力だったかも。
すると、一見無関係なmixiのビジネス展開にも新しい方向が見えてきます。プレミアムサービス(有料の優遇サービス)なんかでちまちまと儲けるんじゃなくて、会員向けの商店街や有料オンラインサービスなど、お金の落としどころを作ること。ワンクリックで済むから思わずお金を落としていってしまうディズニーランドのような場を作ることができれば、.NET passportの夢が意外なところで実現されることになり得ます。