ヒットポイントって変だ

ヒットポイント(HP)といえばゲームのキャラクターに設定されていることの多い数値データ、受けられるダメージ量のことで、これが0になったら死亡です。
さてこのHP、現実の人間だとかマシンだとかのダメージの受け方と比べると全然リアルじゃありません。HPが削られるってのはどういうこと? 負傷するということ?
でも考えてみるとそうじゃない。
HPが削られて0寸前になった、つまり瀕死の重傷のはずでもキャラクターは大抵ピンピンして戦えます。どこに怪我をしているんだと。
逆に、明らかに致命傷のはずの攻撃を受けた場合、たとえば胴体に剣の一撃が命中したとか、コックピットをビームライフルで打ち抜かれたとかしても、残りHPが0でなければやはりキャラクターはしゃあしゃあと戦い続ける。ボスキャラだとか鍛え上げた主人公なんか、戦闘中におまえ何回首が飛んでるんだってことになります。
HPは実際の怪我とか破壊とかを反映していないんですね。昔の、文字と線画だけのゲームだったらそれでもいいかもしれない。でも、3D画像でリアリティを追求するようなアクションとかRPGとかSLGとかだと、そんないい加減なシステムじゃもうやってけないと思うのですよ。
例えばガンダムをゲームにする。ラスボスは当然ジオング。最強無比です。ゲームだとHPがとてつもなく高いキャラとして登場することになり、ビームライフルをすごい回数あててやっと倒せる、ってのが普通でしょう。アクションでもSLGでも。
でも、原作でジオングビームライフル一発で大破しているのです。その一発を当てるまでのドッグファイトが熾烈だったわけで。そろそろ、こういうところの原作との食い違いがゲームを演出する上でのネックになってくるような気がします。
じゃあどうすればいいか。
SLGやRPGみたいな、アクションでないゲームでの話ですが、HPの代わりに余裕値というのを使えばリアルにできるんじゃないかと考えています。
余裕値とは何か。キャラが敵の攻撃を避けるための余裕のこと。敵の攻撃を受けると余裕値がどんどん消費されます(攻撃をよけている)。余裕値が0になると初めて敵の攻撃が命中し、倒される。
え、それはHPとはどう違うのかと? 余裕値はあくまで体勢とか反射神経の限界なので、敵の攻撃がやめば100%まで戻ります。回復魔法なんて必要ない。
スタミナが残っているほど回復速度が速いなんて設定もできるかも。一騎当千の猛将を包囲して波状攻撃を仕掛け、余裕値はすぐに戻されちゃうんだけど徐々にスタミナを削っていって、最後は余裕0になったところを討ち取ったり、とか。
不意打ち攻撃は避けるのにかなりの余裕が必要だから、狙撃手の一撃で強力なボスがいきなり死亡とか。
HPのインフレに比べたらだいぶリアルなんじゃないかな。