日本の義務教育に足りないもの

・・・というお題を出すと、何が足りないと見るかは本当に人それぞれだと思います。
理科が知識偏重だから理数系離れが起きているのが問題だ、とか、英語を中高6年やってるのに高卒でまともな英会話ができる人がほとんどいないのはどういうことだ、とか、歴史教育が愛国心をはぐくめるものになっていないぞ、とか、日本語の乱れを正すためにもっと国語を、とか。
でも、おいらの思う足りないものは、次の二つです。
法律保健
保健は、前から中学にきっちりありますよね。当の中学生からは「えろい科目」ぐらいにしか思われていませんが。まずこれが内容不足です。自分の健康を自分で守れる程度の知識にならないんですよ。その結果が「あ○あ○大辞典」だとか「午後は○○○○おもいッきりテレビ」だとかの、明らかに怪しい健康番組の氾濫。もうちょっと勉強していれば、あの手の番組の内容が根拠もなくスポンサーの言い分を鵜呑みにしてるだけなのがわかるはずなのに。
「この天然塩はいくら摂っても害にならない」なんて説明を鵜呑みにして摂りすぎて心不全になっちゃう人とか、「タバコは吸ってる方が呆けにくいんだ」なんて珍説を信じた末に脳梗塞起こして廃人になっちゃう人とか見てると本当に切なくなるのです。
で、もう一つが法律。
これは、義務教育ではほとんどまったく教えてくれません。ひどい話ですよこれは。確定申告の仕方、裁判の起こし方、契約、借金、雇用、etc・・・。法律を知らない方が損をする世の中なのに。
しかも、刑法にいたっては「法の不知は宥恕ゆうじょせず」という恐ろしい規定が明文化されています(第38条3項)。つまり、違法と知らずにやったことだとしても許されないと。これは刑法に限らず法体系全体を貫いている思想で、早い話、この国は国民全員が法律を熟知しているものとして運営されているのです。
・・・理科歴史英語どころじゃない大事さじゃありませんか?