ジョイントの季節

4大学の合同演奏会「遊声」を聴いてきました。ジョイントだと、各団ともがっちりと重量級のステージを用意してくるし合同ステージもやっぱり重量級だったり。聴きがいはあるけど、お腹いっぱいとも言うわけで・・・。
『十ぴきのねずみ』(吉岡弘行)は日大合唱団。躍動感とハーモニーの両立は見事。でも、もうひとつ伝わってくるものがほしかった。
外語大コール・ソレイユの『空を見る日』(寺嶋陸也)は美しさ優先の演奏で、この曲自体の持ち味にぴったりでした。1曲目「大和行」なんか特に。おいらのもっとも好きな合唱曲『閲歴』(村谷達也)と通じるものがあって旅情を誘います。きっと歌い手の中には奈良へ行ってしまう人がいるんじゃ(おいらは閲歴のせいで九州を一周した)。
東京家政フラウエンコール『金子みすゞの詩による合唱曲集』(山内雅弘)は合唱版初演。作詞者が作詞者だけにいい歌ばかり。歌い手も少人数ながら、というか少人数ゆえの一体感がありました。特に、普通暗くなりがちなアルトパートが張りのある通る声なのが好印象。
東大コーロ・ソーノは委嘱作曲の『むすばれるものたち』(松本望)。うーん、男声の練習量が。あと、楽章ごとが長いだけに一様な印象にならないようなストーリーを持った演奏がほしかったかな。
合同は『春のために』(信長貴富)。150人はいたかと思われる大編成なのに、一体感がとても高くて驚かされた。当然ソプラノも多いわけで、最後に自由にさえずる部分は「シジュウカラの兄妹」というよりは「シジュウカラの親戚一同」みたいになっちゃってました。