独自研究で行こう(3)

(昨日の続き)
さてミニマックス法を分散処理でやろうと言っても、すぐに思い当たる大きな壁がある。それがメモリ量だ。
オセロの局面の場合の数はどの程度あるかというと、起こりえない配置も含めれば64個のマスに「黒石がある」「白石がある」「石がない」の3つの状態があるとして364通り、これは約1030通りになります。この量が暴力となるわけですが、分散処理でやろうとするとまさにそう。なぜか。
一台のコンピュータですべての手順をたどって完全読みしようとする分には、メモリ量は大して必要ありません。今見ている手筋だけを覚えておいて、終局まで読んだら直近の分岐点までバックトラックすればいいだけのことだから。ところが複数台のコンピュータでこれを分担しようとすると、仕事を割り振る中央のコンピュータはすべてを見ていないといけません。処理役に課題(局面)を渡したら、渡した課題を覚えておいて、しかもその答えが返ってきたらそれまでの探索にどう影響するのか、ゲーム木の形で保持しておかないといけない。
ひとつの局面にメモリを10バイトしか使わないとしても、局面が1030通りあれば・・・単位はギガバイト、テラバイトなんてもんじゃない。
http://www.asahi-net.or.jp/~JH3M-FJYM/tani/tani.html
ウィキペディアにも収録されていない接頭辞、「グルーチョ(1030)」で10グルーチョバイト必要になるのです。そんな馬鹿でかいディスクがどこにあるのかと。