例えるならそっちじゃない

言語は文化を反映しているから、言語によってボキャブラリーの範囲の取り方が違うという話がありますよね。英語なら「牛」がオスかメスか、成獣か幼獣かによって呼び方が変わるとか、アラブ語やペルシア語ではラクダを意味する単語が色や年齢の違いで100種類以上区別されているとか。
では日本語で、とよく引き合いに出されるのが出世魚の話。でも、一般人にとっては別に出世魚の名前の変化なんかなんの感心もないので、ぴんとこないでしょう。日本語の場合には、むしろ例に挙げればいいものがあります。それはイネ。
作物として田んぼに植わっているときは稲。実だけ穂からはずしたものは籾。それを脱穀すると米。それを炊けば飯。英語なら全部riceですよ。こんなにいい例があるのにな。