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失敗公共事業e-Tax

オンライン確定申告「e-Tax」の利用を促すため国税庁が躍起になっています。アイドルを広報キャラクターに据えたり、利用者には控除を認めたり、関連証明書の提出まで免除したり、まさに「なりふり構わぬ」という言葉通りです。
e-Taxがどの程度不人気かを知るのは簡単です。役所で公的個人認証の鍵ペアを作ってもらうと通し番号がもらえるので、自分が(その都道府県内で)何番目の利用者だかわかるようになっているのです。僕が今日作ってもらった鍵ペアの通し番号は……東京都でe480番(=58496番)。
これほどの広報にもかかわらず、まだ広い東京都内で6万人も利用者がいないのです。

e-Taxの利用は従来型の申告より面倒

従来型の申告でも、申告書類はオンラインで作成できます。それをプリントアウトして税務署に持っていく(もしくは郵送する)だけ。
源泉徴収票その他の証明書類をのり付けする手間+税務署(郵便ポスト)へ足を運ぶ手間だけがかかるわけです。
e-Taxを使うとこれが楽になるか?
足を運ぶ手間は2倍になります。
役所へ行って住基カードを発行してもらい、これに鍵ペアを登録してもらうのがまず一手間。
次に、住基カードを自分のPCで使うためのICカードリーダを買いに行かないといけないのがもう一手間。
のり付けするための手間がかからない? でも、カードリーダのドライバをインストールしたり、公的個人認証のクライアントソフトをインストールしたりの手間で、まあ、相殺でしょう。

2回目以降は面倒がない?

住基カードに登録された鍵ペアは、簡単に失効します。
まず、有効期間が3年間。しかも、期限切れの通知は来ないので、こっちで期間を把握して役所に更新に行かないといけません。
引っ越しでもアウト。市区外への引っ越しで住基カードそのものが無効になってももちろん、市区内の引っ越しで住基カードが有効なままでも、鍵ペアは無効になります。
結局、わりと頻繁に役所に行かざるをえないようです。

なぜ、ICカードリーダがFelicaじゃない!?

これが、多くのPCユーザが感じた疑問でしょう。
SuicaEdyなど数多くのサービスの基盤であり最も普及しているICカード規格であるFelicaを採用しておらず、よって最も普及したICカードリーダであるPasoriが使えません。Pasoriが使えるならわざわざICカードリーダを新たに購入する必要もないのに……という歯がゆさが残ります。
サービス主体が民間企業であれば、迷わずFelicaを採用していたはずです。

そもそも確定申告に必要な個人認証レベルは?

百歩譲って、ネットワーク越しの個人認証が面倒なのは仕方がないと認めることにしましょう。
しかし、確定申告にはもともとそこまで大がかりな個人認証をしていたかというと、そんなことはありません。なにしろ、三文判を押して郵送するだけでもできていたことなのです。税務署を訪れる場合も、身分証明を求められたりはしません。
三文判の代わりに身分を担保するものとして公開鍵認証までさせるのは、どう考えても過剰でしょう。
e-Taxを普及させたいなら簡単、氏名住所(または住基番号)の手入力のみでオンライン提出できるようにすることです。三文判を押せなくなることをどの程度重視するかですね。