プリンスホテル日教組集会拒否問題の本質

日教組の大会を、他の利用客の迷惑になるなどとしてプリンスホテルがキャンセルし、裁判所の利用させよとの命令も無視した問題について。
この問題で、ホテル側の行動が正しかったかどうかという観点からの議論は、問題の本質を見失っています。もちろん司法判断の遵守という面においても、社会正義(著名企業には言論の自由を守る責任もあるのではないか)という面においても、責任を問うことは可能でしょう。しかし、結婚式場も持っているホテルにとって、裁判所の命令を無視することになったとしても街宣車が押しかける事態は絶対に避けなければならなかった。これは、仕方のないことです。
この問題の本質は、右翼団体の卑劣さにあります。
正面からは言論の自由に対して手出しできないので、ホテル利用客や周辺住民を間接的に人質にとったわけです。利用客を人質に取られてはホテルも抵抗できるわけありません。
問題の当日にある右翼団体が出した「日教組に会場を貸すことはけしからんということを知らしめることができた」というコメントは、まさに反社会勢力の勝利宣言でした。
この卑劣さはもっと言及されてしかるべきでしょう。
この問題を国会で取り上げるならば、ホテルの対応がどうこうではなく、反社会勢力の活動を規制する新たな枠組みについてであるべきでしょう。