硬直化した組織

組織や体制が「硬直化している」と言えば、大抵は良い意味ではありません。形式主義だったり前例主義だったりでがんじがらめになり、自由な発想や新しい試みは抑制されてしまっている、というイメージでしょう。
しかし、これは悪い組織運営かというとそうも言えなくて、強力な長所を持った組織形態であるということを忘れてはいけません。それは、個人の能力に頼らず組織として安定したパフォーマンスを確実に発揮できること。そして、組織全体が把握しやすくなり、大人数の組織でも破綻せずに運営できることです。
柔軟な組織ではこうは行かない。
能力、特にリーダーシップを発揮している人が突然いなくなれば即機能停止します。また、縦横に自在に動いている人達がそれぞれ何をやっているのか、把握しきれなくなれば整合性を保てなくなります。
変革期には、たしかに環境の変化にすぐ追従できる柔軟な組織は強いですが、成長して人数が増えればそのままではいられないし、安定期にはむしろ破綻しにくい硬直型組織は強力です。
硬直化に問題があるとすれば、それは硬直していることそのものではなく、いざ環境が変化したときに柔軟型に切り替えができなくなっている場合でしょう。