母さんちょwwww

今度の金曜の定期演奏会ではAve Mariaをはじめとして聖母マリア様の讃歌を歌うわけですが、それにはちょっとマリア様のことを知らなすぎるなと思いましてね、新約聖書を読み直してたんですよ。
中高の頃は、教室に聖書があったから暇つぶしによく読んでたんだけど、キリストの行跡はいろいろ覚えてるのにマリア様のことを特に書いてあった記憶がないのです。四福音書には、マリアのことってほとんど書いたなかったんだじゃなかったっけなあ? なんであんなに人気なんだマリアは? というのが疑問になって(実はもう一つ疑問があったんだけど、それはあとで)。
マリアが登場するのは、受胎告知のシーンです。神さまからいきなり啓示を受けて、マリアは超模範生徒的な受け答えをして受胎を受け入れます。信心深いことはよくわかった。でもこれじゃ、わかるのは「信心深い模範少女だった」ことだけですよ。
もう少し読んでみましょう。イエス誕生以外でマリアの登場するシーンは?
ありました。2回。
でも、これを読んでいると、どうもマリアは神の子を産んだという自覚が全然ないようなのです。
まずはルカによる福音書2:46)。子供時代のイエスが、無断外泊で神殿に泊まり込んでいたときのこと。

マリア「3日もどこ行ってたの!」
イエス「僕の“父”の家にいたんですよ」
マリア「(何を言ってるのこの子は……)」

母さんちょwww! 気付きなさいって。「神の子」産んだのはあなたでしょうが!
つぎに、ヨハネによる福音書2:3)。伝道を始めたばかりのイエスが、初期の弟子達を連れて里帰りしたときの話。実家ではちょうど宴会中。そこで、マリアはあろうことか神の子にこんなお使いをさせています。

マリア「お酒をきらしちゃったんだけど」
イエス「僕には関係ないでしょ」
マリア「(無視して)おまえたち、ちゃんとイエスの言うこと聞いて手伝うのよ」

母さんちょwww! なにさせてるの神の子に!
しかもイエスはここで、神の子パワー、奇蹟を初めて発動しています。「水をぶどう酒に変える」。
お酒きらしただけで奇蹟を使わせちゃうなんて、家族特権利用しすぎですって。



なんかAve Mariaが素直な気持ちで歌えなくなってきました。
さあここで、気になってたもう一つの疑問です。マリアの処女懐胎の話は、四福音書のどれにも載ってるから、イエスの弟子達の間では常識だったんでしょう。では、弟子達はそのエピソードを誰から聞いたんだろうという疑問。
イエスが生まれたときから有名な話だった、というわけではないようです。普通の人間の子と思われていたよう(ルカ3:23)。
弟子達は、処女懐胎の話を入信後に誰かから聞いたわけです。
マリア本人から? それはやだなあ。
「いやだわあ、あたしあのときまだ父ちゃんと出来てなかったんだから……!」
とか言ってるマリアがいたら正直勘弁です。Ave Maria二度と歌えません。
それに、お酒のエピソードがあった里帰りの時も、まだ福音書に著者になる弟子は加わっていなかったようですし。福音書の著者はたぶんマリアに会っていません。
残るのは、イエス自身が弟子達に自らの出自を語ったのでは、ということになるのですが。そう言えば、「荒野の誘惑」みたいな誰も目撃していないエピソードも残されてますね、キリストには。あれもやはり、自分で語ったのでしょうか。

イエス「私はね、人の子じゃないんだ……」

イエス「それで私はこう言ってやったんだよ。悪魔は退散したさ……」

こんなこと自分で言ってたのかな……。だとしたらかなり痛いんですが。