魔法の体系を考えよう

魔法といえばホントに範囲が広いです。シンデレラの魔女が使う魔法も、ファンタジー戦記の魔導師が使う過激な攻撃魔法も、全部魔法。共通点は、「物理的にあり得ない術」ってところでしょうか。
まあお話の世界だし、前提は「あり得ない術」ってことだから、何でもありでもいいです魔法は。でも、魔法ってイメージ的には先天的に使えるものではなくて勉強したり修行したりして使えるようにするもの。勉強するってことは、それなりに体系だった技術になっているはずです。
魔法が体系だっているんじゃないかと思えるもうひとつの理由は、発動に呪文を唱えることが多いこと。呪文が無意味な発声のわけはない。意味があるんです。意味があるってことは何か文法があるってことです。
すると、魔法のある世界で魔法はどのように運用されているのか、考える余地が出てきますね。

魔法の仕組み1・エネルギー源

不思議な術で、実世界のものごとに物理的な効果を起こすのが魔法。物理効果を起こすには必ずエネルギーが必要です。はい、魔法にもエネルギー源が必要ですね。
それをどこからもらうかが必要です。いろんな流儀があるでしょうね。

  • 術者自身の生命エネルギー(そういうエネルギーが存在するということにして)
  • 自然のエネルギー(マナとか呼ばれるやつですね。環境依存です)
  • 神とか悪魔から借りたエネルギー

「アダブダカダブラ」で魔法をかけてしまう魔法使いは、自分のエネルギーか自然エネルギーを使っているんでしょうね。魔法を使う前に悪魔の名前を唱えるような人はきっと借りています。
きっとエネルギーには大きさだけじゃなくて各種性質があるんでしょう。利用するエネルギーによって利用範囲が違うと思われます。
自分のエネルギーというのはRPGのMPとはちょっと違うかもしれない。MPは体力的な問題から(自分のでも借りるのでも)利用できる総量、という印象です。

魔法の仕組み2・プログラミング

呪文や魔法陣で術を使うことができるということは、魔法に使う超常エネルギーは言葉や記号に反応する性質があり、文法を持っているということになります。魔法の勉強はおそらく、この文法と、決まり文句の勉強ということでしょう。古典的な魔法はもう文法以前に決まり文句化していて、たいした勉強なしにそれを唱えるだけで使えたりして、それを呪文と呼ぶのかも。
ただし、アリババの「開けゴマ」は呪文とは言え魔法語ではないかもしれません。特定の音声に反応して動作するような魔法プログラムを岩戸に仕込んだと考えた方が合理的です。

魔法を使う人たち1・研究家

魔法の研究には何通りかあるでしょう。ひとつは、既存の魔法文法を用いてこんな術が実現できる、と新たな呪文を書き上げる呪文作家。プログラマみたいなものです。偉大な呪文作家には「ウィザード」の称号でもあげましょう(逆だな意味が^^;)。
ほかに、新たな魔法語句や文法を発見する研究もあるでしょう。各種魔法エネルギーにいろいろと言葉や記号をぶつけて反応を調べ、新しい応用の可能性がある文法を発見する仕事です。遺跡に刻まれた未知の図形なんかを収集してはいろいろ試していることでしょう。
あとは、現実の科学者のような研究も必要ですね。物理効果を与えるためには、そもそも物理がわかっていないといけない。たとえば「火」というのがどういう現象なのか理解していないと火を扱う魔法は記述できないはずです。ということは、魔法のある世界もそれなりの科学文明を築いているはず。科学技術の進んだ魔法世界では、魔法の使えない兵士はマシンガンを持っているはずです。

魔法を使う人たち2・魔術師

研究もするし、実際に生業として魔法を応用している魔術師。
どんな修行を日頃しているのでしょうか。まずは走り込みです。心肺能力を鍛えてスタミナを付けておかないと、大量のエネルギーを取り扱えません。スマートな人はエネルギーの媒介になる杖なんかのアイテムをさっさと手に入れてそれに任せてしまうかもしれないけど。
あとはテクニック。エネルギーに言葉を反応させるには、たぶんそれなりの精神的能力がいるはずです。素人がただ呪文を唱えただけじゃエネルギーも反応しない。結構天性のセンスも問われるでしょう。

魔法の応用1・マジックアイテム

マジックアイテムを作っているのは魔術師だけとは限りません。魔法文法をよく勉強した職人が記号を埋め込めば、最後に魔術師がエネルギーを封入するだけで、機能を持ったマジックアイテムができると思われます。
職人にもある程度エネルギーを操る才能か媒介があれば、実際の魔法を発動するほど強力な魔法は使えなくても、時間をかけて注入することで強力なアイテムを完成させることはできるかもしれません。

魔法の応用2・トラップ

仕込んだ魔法を感知されにくくするような魔法を利用すると、一見なんでもないのに魔法機能を持ったアイテムや建築物、すなわちトラップができあがります。
当然、トラップ対処の専門家ってのが存在することでしょう。古今東西のトラップを研究していて、怪しいアイテムを爆弾処理班のように解体します。
危険なトラップだと思って解体したら、誕生日おめでとうのサプライズメッセージを出すだけのアイテムだったとかあるかも・・・