君よCMTを知れ

最近のWebサービスは猫も杓子もRSSっつー感があります。確かに便利なんですよね。更新の自動チェックは。しかも、更新された記事がメールメッセージのように一覧表示されて読めるようになります。
このRSSが日本でも一般的に広く認知されるようになったのは2003年頃からでしょうか。提唱されたのはもっと古く1999年ですが。
さてそのRSSが生まれたのと同じ1999年、日本でもコンテンツ配信のための規格、CMTが生まれていました。
http://www.kaede.sakura.ne.jp/~nikeno/cmt/
RSSとはまったく違う目的、掲示板の読み書きを自動化するためです。今でこそRSSに対応した掲示板も増えてきているものの、当時掲示板を機械的に読み出すための統一的な規格なんてありません。それをあえてメーリングリストのように一覧表示できるよう自動巡回するソフトが開発されたのです。その名はINCM。
どうやって、規格の統一されていない各種掲示板を自動巡回するか。二段構えの方式がとられました。
まず、CMT形式という統一形式を設定するのです。RSSと似たような位置づけのフィードです。CMT形式は公開し、各スクリプト作者に対応を呼びかける。
それとは別に、プラグインを作っていきます。CMT未対応の掲示板であっても、それを読み込んでCMT形式に変換してくれるようなPerlRubyスクリプトを各掲示板それぞれに作っていくのです。Perlなどだったら、ユーザー側でも比較的簡単に改造して別の掲示板に対応させたりできます。
そうして最終的には、掲示板が対応するかスクリプトを用意するかのどちらかでCMTフィードを得て巡回・整理するというソフトでした。おいらも使っていました。むちゃくちゃ便利でした
実はその後おいらは、Becky!からINCM用スクリプトやCMT形式掲示板を利用するためのプラグインを制作して公開し、もちろん自分でも今でも使っています。
さてこのCMT形式、RSSとかぶっちゃってる上にXMLでもないしUnicodeにも対応していないし(2000年問題にも非対応だし)、今さら存在意義なさそう、と思ってしまいそうなところですがRSSにはない利点があるのです。
ひとつは、親メッセージを指定できる点。掲示板らしく、スレッドツリーを構成することができるのです。実は、ブログだってCMTに対応すれば記事とコメントを両方配信することができるようになります。スレッド型の掲示板に見立てて配信すればいいので。
もうひとつは、投稿フォームも指定できる点。投稿フォームがわかっているのから、INCM上で掲示板へ記事が投稿できるのです。新規記事もレスも。これもブログリーダにあって嬉しいはずの機能ですよね。日記を書いたりコメントを付けたりするのが、一本のCMTリーダ上でできてしまうんだから。
まあ、今さらCMTを復権させてRSSに逆転しようだなんて言い出すつもりはありませんが、RSSの標準に盛り込んでいきたい機能ではあるのです。