アドレナリンが戻った

 化学者の高峰譲吉(1854〜1922)らが発見した「アドレナリン」が4月から、医薬品の正式名称として使われることになった。
 これまでは米国の学者が命名した「エピネフリン」を使用してきた。高峰の業績を正しく評価すべきだとの声が高まり、厚生労働省は医薬品の規格基準を定めた公定書「日本薬局方」を改正、1900年のアドレナリン発見以来107年目の“名誉回復”をはかる。
 厚労省によると、薬品の一般名として欧州ではアドレナリン、米国とメキシコは日本同様にエピネフリンを使っている。エピネフリンは、高峰より先に抽出したと主張した米国人学者が名づけた。後に、その学者の方法では抽出できないと判明したが、米国ではエピネフリンを使い続けた。

これまでこのダイアリでも、アドレナリンのことを書くときは意識的にエピネフリンという用語を避けるようにしていました。理由は引用に書いてあるあるとおりで。
普通薬品名としてはこれまでエピネフリンと呼ぶものだったので、ちょっと不自然な記述になってしまっていたんですけどね。これで堂々と使えるというものです。
ただ、米国ではまったくアドレナリンという言葉を使わないわけではありません。エピネフリンを形容詞形にしたもの、「エピネフリンの」という意味の言葉は「adrenergic」で、アドレナリンが使われているんです。