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夜中の散歩中毒

じーちゃんばーちゃんの多い病棟って、夜中に寝ないで騒ぎ出す人ってのがしょっちゅういます。不穏とか夜間せん妄とか呼んでますが。
そうならないようにするためには、昼間に寝て昼夜逆転してしまわないようにするとか、お見舞いに頻繁に来てもらって、病室といういつもと違う空間に早くなれてもらうとか、まあ日常の看護の問題になってきます。
ただ、日常どういう対策をするかはいいとして、実際夜中に騒ぎ出したじーちゃんが出たらどうするかは別の問題。放っておけば歩こうとしてベッドから転落して大けがするだろうし、付きっきりで監視してるような人手もない。すると、

  1. ベッドにベルトで固定する。「抑制」と言います。
  2. 鎮静剤を使う。セレネースとかロヒプノールとか。

といったような対策をすることになる。どっちも後味悪いですね。抑制は、はっきり言って将来自分がぼけぼけになったとしてもされたらやだし、鎮静剤みたいな向精神薬は老人に使っていいことなんてない。依存性も耐性形成もあるしね。
そこでおいらがたまにやってるわざが、「じゃあ起こしちゃえ」です。
寝ない子は、寝ないでいいからと車椅子に乗せてナースステーションに連れてきて、お茶でもすすめちゃう。そのうち落ち着いて、ベッドに戻るとあっけなく寝付いてくれます。夜勤の看護婦さんたちにそこまでしてる余裕はないから、ヒマな当直医だからこそできるやり方ですね。
で、おとといの土曜日、夜中にやっぱりいたわけです。目が冴えまくって徘徊したがるじーちゃんが。抑制のベルトも自分ですり抜けてしまうと呼び出されたわけですが、それじゃあ徘徊につきあおうじゃないかと病院ロビーのクリスマスツリーを見に夜中の散歩をしてきました。そしたら案の定、あっさりおやすみ。ちょろいちょろい。
さて今夜。また当直。おとといのじーちゃんはどうなったかな・・・?
「夜中寝付かず、散歩に連れて行けとうるさい」
そうか、散歩にも依存性があったか!