念のため

http://www.bekkoame.ne.jp/~hmuroi/kenen.html
禁煙キャンペーンはうそまみれだ、というウェブページが最近話題なので念のためにコメントを。この文書には医学的なデータでうそが紛れ込んでいるので。
まず、欧米で喫煙率が下がっているのに肺癌の罹患率は増加傾向にあるという記述。うそ。米国ではすでに低下傾向にあります。
それと。アルツハイマー病の罹患率を1/3に下げるという記述。うそ。これは実際にあった報告ですが、「罹患率」ではなく「有病率」が1/3であるという報告でした。有病率が低いと言ったって、それは喫煙の影響で早死にするから少なくなっているんではないかとは容易に予想できます。
なんとイギリスでは実際に医師達が自らを実験台に喫煙群と対照群に分けての実験(50年にもわたる追跡調査!)を行い、喫煙がアルツハイマー病の罹患率に影響しないことを報告しています。
その論文はオンラインで読めます。→http://bmj.bmjjournals.com/cgi/content/abstract/320/7242/1097
たった1段落に2つもうそが紛れていたのを見て、それ以降は検証する気も失せてしまいました。気が向いた人は以降のチェックもよろしく。

追記

受動喫煙に害があるという疫学的なデータはなく、平山らの論文一本のみが根拠とされているという記述。大嘘。
PubMedってサイトがあります。医学論文を網羅的に検索できる、最大にして無料のデータベースサービス。検索してみましょう。
「passive smoking【受動喫煙】 heart disease【心臓病】」−323件
「passive smoking【受動喫煙】 stroke【脳卒中】」− 32件
「passive smoking【受動喫煙】 cancer【癌】」− 1159件
出るわ出るわエビデンス。この嫌煙運動反対文書は「大学人はどう考えるのか」とわりとえらそうな副題をつけていますが、これを書いた室井尚さんのところでは、文献を検索もしないでモノを言うのが大学人なんでしょうかね。