回せ回せ根を回せ

「根回し」という言葉はあまり明るいイメージは持っていない言葉。どちらかというと、古い日本的な物事の決め方で、密室的な印象がつきまといます。しかし、みんなこれが嫌いなのかというと実際には集団の意思決定のときには多かれ少なかれ使っていること。
こう考えてイメージを変えてみましょう。根回しは、「古い日本的な解決法」ではなく「昔からの日本人の気質に適した解決法」だと考えてみるの。
全体的な気質として日本人は協調が好きだし、個人の意見を必ずしも持とうとはしません。これだと、いざオープンに話し合おうとしても、周囲の出方をうかがったり、まず自分の立場をどうしようか決めるのにどうしても無駄な手間がかかってしまう。
この手間を省くにはどうすればいいか。ある程度意見や立場の固まっている人が意向を周囲に伝達しておくことで、似た意見の人に安心感を与えたり、立場を決めかねている人に参考となる視点を与えてあげたりできる。動き出しづらい日本人の集団でも合意へ向けて動けるわけです。悪くないやり方じゃございません?