宗教と科学と共産主義と

マルクスによると宗教は阿片だそうな。そしてこれは宗教を否定的に見るものなのかというと、どうも違ってそのココロは、人々に安らぎを与えるものという意味だったらしい。のちの共産主義諸国が宗教を弾圧した歴史と対照的です。
おいら的には宗教はウィルスのようなものだと思っています。人の思考を支配すると、宿主を利用して他の人の思考への増殖を図ります。増殖を図らないようなウィルスはすぐに自然淘汰で消滅するから、生き残るウィルスは必然的に増殖能の高いもの、すなわち布教活動の活発な宗教ってことに。キリスト教の布教活動ったらすごかったし。
それは置いておいて。
共産主義だって宗教みたいなものじゃないかと言われることがあります。それが正しいかは宗教の定義次第だと思うけど。ウィルス的な性格という点では似ているし、ある哲学を押しつけるものだという点も同じ。ウィルスって直接駆除することはできなくて宿主細胞を潰すしかないから、アメリカがベトナムとか朝鮮で大暴れした理由がわからないでもありません(ウィルス感染症では往々にして、感染細胞を叩く免疫活動が最大の被害を出すことにも通じます。だから、ウィルス感染ではステロイドで免疫におとなしくしていてもらうんだけど国連はアメリカを抑えるステロイドになり得なかった)。
それとは別に、科学だって宗教みたいなものじゃないのと問われました。違います。ここで言う科学とは「科学的手法で蓄積された自然に関する理論体系」のことだと思うけど、宗教とは違う。なぜなら、反証可能性があるからです。もし間違っていれば実験でそれを示せると言うこと。逆に、反証しようのないフロイトの心理学なんかは今どき科学扱いされていません。
共産主義はまたの名を科学的社会主義とも言うけれど、これは自己言及的で面白いです。なにしろ、失敗したことで理論が間違っていたことを自ら示してしまったわけで、そういう意味で「科学的」と言えなくもないからね。