隠し味は?

ニッポン放送紛争で、ライブドア新株予約権発行差し止め仮処分を勝ち取ったと大騒ぎなわけですが、普通に考えたらその程度の仮処分を勝ち取ったところで買収合戦自体は劣勢であることに変わりはありません。フジテレビへの影響力は失せたし、ニッポン放送の支配も拒否権のひもが付いてしまったし。
それでも「予想された展開。計画は練りに練ってある」と言うからにはそれなりの次の一手が用意されていないといけない。はったりかもしれないけどね。
次の一手があるのだとしたら、それはなんだろう? 隠し球としてあり得るのは、資金源がもう一つすでに確保してあり、ニッポン放送からフジテレビ株を買い取ってしまうなどどうだろう。時価より安い20万円でTOBを出し、ニッポン放送に応じさせてしまう。1200億円くらいでフジの筆頭株主ですよ。証券の売却程度では拒否権の行使対象にならないだろうし、なにしろフジの出した格安TOBに各企業が応じているのでいまさらそれを背任で訴えることもできないでしょう。もしそういう隠し球があるなら、フジテレビはTOBで対抗した時点で罠にはまっていたことになります。
もっとも、この事件の結末がどうなったっていいけどね。フジサンケイグループライブドアも、どっちも胡散臭いので味方したくないし。株取引のことにみんな詳しくなって勉強になりましたってところかな。
ただ、「ビジネスとは恋愛のようなものだ」と言っていたのはシャフト・エンタープライズの劉氏。無理を通そうとすれば勝ったとしても成功はしないんじゃなかろうか。