好きだけど危ない

アイルランドの女性歌手3人のアルバム『New Irish Hymns』。リーダーはモイア・ブレナン。エンヤの実の姉と言ったほうがわかりやすいかも(エンヤもフルネームはエンヤ・ニ・ブレナンなんだよね)。アルバムカバーを見ると並んでいる人の中央が明らかにエンヤそっくり。この人がお姉様でしょう。
一言で言うと、素晴らしいです。涙がちょちょ切れます。ヴォーカルアルバムでここまで感動したのは、シンガーズ・アンリミテッドの『Christmas』を聴いて以来。内容は題名通り全部賛美歌なんだけど、既存の賛美歌の印象は全くなくて、ビートもメロディもともに大事にしたパワーのある歌ばかり。かといって『天使にラブソングを』ほどはじけすぎたわけでもない品の良さもあってぴたりとバランスが取れています。
問題はだ。宗教曲って危険なんだよな、といつも思うのです。素晴らしすぎるのですよ。そりゃあまあ信仰心という強い動機があってこその素晴らしい音楽かも知れない。でも、音楽という麻薬の力を通して知らないうちにその衝動にこちらが染め上げられてるかも知れない。そういう危険さです。音楽は麻薬ですよ。精神状態を変容させるし、習慣性があるし、依存形成するし。