結局ゾロ

最近はジェネリック医薬品と呼ぶのが正しいらしいけど、まあいわゆる後発医薬品。俗称ゾロ。特許が切れたせいで開発元以外の各社から発売されている同等のクスリのことです。追随各社は何しろ開発費をかけていないから値段が安い。
医療費を抑制できるから、ジェネリックを処方してもらおうなんていう意見広告もみますが、やっぱり一番処方されているのは先発品なのです。なぜか。
思うに、後発品の最大の欠点は名前が知られていないことなんですよ。知られていないと何が困るか。ある患者さんの常用薬データを見たとき、ジェネリック医薬品が並んでいると何を飲んでいるのか全然理解できないんですね。そりゃ調べればわかりますが、少なくとも先発品だったら「お薬手帳」を一瞥しただけで持っている慢性疾患が把握できますから。例えば意識を失って倒れていた人がいたとします。バッグの中から「オイグルコン」(血糖降下薬)が発見されたとすれば、その人は糖尿病の患者で低血糖発作の疑いがあることがすぐわかります。ところがここで発見されたのが後発の「ダムゼール」あたりだとすれば・・・知らなきゃ気付けないわけです。常用薬は他にもあるだろうから全部調べているだけでちょっとした時間がかかるし。
ジェネリックを巡る議論で、名前が知られていないことの危険性ってほとんど言及されてないなあ、と思って言ってみました。