ケムマキ病棟

先週の結婚式二次会で頼まれた八王子の山奥の病院。山奥に大きな病院がある場合、それは文字通りの姥捨て山的老人病院か精神病院であることの多いのが現実です。今日のは精神病院の方。
それが病棟がたばこ臭い。精神科に入院している人たちの喫煙率がものすごいというのはもちろんあるだろうけど、一番くさいのがナースステーション。仕事するテーブルに堂々と灰皿が乗ってるんだからもう!
それで、月曜日までにメールで提出の課題があるわけですが、こんな山奥でネットがつながるのかと不安になっていたらなんと@FreeDつながりました。やるなドコモ!

とどめの一撃

当番日だけあって忙しい。とにかく、当直室に戻ってプログラムを1行打つたびに電話が鳴るのでプログラムなんか書けやしません。救急車は来る、直来は来る、病棟の入院患者さんは熱を出す。がんがん入院が入るせいで夕方には満床で救急ストップに。
救急ストップかかって、これで少し平和になるかと思ったら、プログラム1行書いた途端にまた電話が。併設の老人ホームで脳梗塞発生。うぁぁぁぁぁ・・・・そっちから来たか。
ホームに置いておくわけにもいかないし入院もさせられない。今度は救急車呼んで別の病院へ転送ですよ。

ピンポン

食欲がないという理由で入院だったおじいちゃん、夜中に脈も呼吸も怪しくなったというコール。息を吹き込んでいたら調子が戻ったんだけど意識がはっきりしないのでCTを取ってみると、嗚呼、慢性硬膜下血腫。これだろということで脳外科のある病院へ転送したら、3時間後、全身状態が悪すぎて手術なんかできませんと、その夜のうちに逆転送されてきたのでした。無駄に騒いでただけの夜だった気がする・・・

人間あれで生きられるんだ

金属イオン、ミネラルとか電解質とか言われるやつらのうちナトリウムだカリウムだなんていう重要なものは生体内ではきっちり一定濃度に保たれています。この濃度が崩れると細胞が正常動作しなくなって、特に神経・筋肉・心臓みたいな信号伝達をしている器官が動かなくなるのでむちゃくちゃ危険です。
カリウムの正常濃度は4.5mmol/l。なんかの異常がない限りこれが±0.5以上変動することはありません。異常変動するとしたら増えてしまうことの異常の方が多いけど、減る方では2.5mmol/lを切ると不整脈→死の危険が。
それがですよ。今日来た全身脱力&意識障害のおじいちゃん。最近電解質異常を指摘されたというので検査技師さんに出てきてもらって測定したらなんとカリウム1.6mmol/l。「これで人間生きられるんですねえ」と妙な感心。

通報する方

ヤク中になって病院にかかったとき、警察に通報されるかどうかは使った薬の種類によります。覚醒剤だと、覚醒剤取締法により診察したときには警察への通報義務がでてくる。ところが、麻薬の場合は通報義務が定められてないのでむしろ守秘義務が生きてくるのです。これ、どっちがどっちだったかすぐ忘れるんだけど(^^;。
というわけで今日は刑事さんご一行登場。

胸腔ドレナージをやったよ

初発の自然気胸のおっさん。ぴんぴんしてるから軽症かと思ったら、写真みると右の肺がぺしゃんこ。ドレナージせねば。胸腔にチューブを差し込んで、パンクした肺から漏れだした空気を排気する処置で、この程度の小手術は内科でも普通やっちゃうんだけど、おいらは未経験なもので外科のDrにお願いです。
で、どうせだからと処置に入れてもらって、しかもメス入れるのとかトロッカー(芯に針が入ったチューブ)を刺すのとか、おいしいところだけやらせてもらいました。おー、次回からこれ自分でできるな。

念のために、念のために

今夜一晩で、Telnetでアクセスできるシェルサーバを一本でっち上げようという無謀な試みをしているところに救急車。9時間前から胸に圧迫感があるという糖尿病のおっちゃん。当然、心筋梗塞じゃないかどうかが問題です。心電図は・・・うーん微妙。ただ、胸とかお腹を圧迫すると痛い。普通、心筋梗塞は押しても痛くないです。だって、心臓は胸郭の奥にあるんだから。げっぷも出てるし、これは便秘かなんかで腹部膨満になったのかな・・・
でも、一言だけ気にかかるキーワード。「左肩が凝っていた」。これだけは気になる。気味悪い。一応、確認のため血液検査だけしましょう。30分待っててください。気まずい30分。・・・え?トロップT陽性?やっぱり心筋梗塞じゃん!
それにしても、ブログに本音を出し過ぎて処分されちゃったDrもいるみたい
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050114-00000801-jij-soci
ネットにモノ書くことの意味は忘れないでいないとね。